Z-hits COUNTDOWN

誰かの人生の、ほんの少し足しになれば。

フジファブリック③

フジファブリックの魅力とはなんだろう。
まずは何をとっても志村正彦という天才がいたことに尽きる。
この志村、
デビュー当時からすでに天才と呼ばれていた。
それは過去のロッキンオンジャパンの紹介文や
インタビューなどでも垣間見ることが出来る。
その独創的な歌詞・メロディ・アレンジ・・・
俺のたったよっつ歳上なだけの人なのに
この引き出しの多さはなんなのだろう。
感性の鋭さ、個性の独自性、その立ち居振る舞い、
何をどう形容しても天才としか形容できない・・・
のかと思いきや、とてもとても人間臭い。
自分に全然自信が無い、友だちがいない、
恋愛が下手、漫画大好き、目が悪い・・・
と、何を羅列しても魅力的な人間だ。
その天才が、
「曲が書けないミュージシャンなんて糞だ」
と、まさに文字通り命を削ってそれを曲にしていた。
志村の死因は実のところはっきりしていない。
公式にもたしか病名不詳としか書かれていない。
死の直前の志村は、
周囲の人やライブに行ったファンからは
病的に細いと言われていたようだ。
自身のブログでは風邪も引かなくて健康だと言いながら、
食事はフリスクだけだったいう情報もある。
まぁ逝っちまったもんはしょうがない。
が、逝った日がこれクリスマスイブってんだから、
どんだけロックなんだよアンタ・・・
というカンジに、
彼の残した作品と彼自身にとても魅力がある。
それが良くも悪くも現在のフジファブリックの重しになってはいるのだろうが。

 

 

そして音楽性。
ジャンルで言えばフジはなんて種類のロックなのだろう。
ちょっとひとことでは形容し難い・・・
キーボードがメンバーにいるせいで
ポップもダンスもロックもなんでもござれだ。
かつてフジは志村のワンマンバンドの側面があったことは否めないが、
新旧通して聴きこむと、音楽的に実はそんなことは無いことが解る。
志村自身がワンマンバンドなんて呼ばれたくないと言っていたことからも判るが、
実は各楽器メンバーの個性が色濃く出ている楽曲が実に多い。
それこそ初期は志村の「変態性」と形容される独自色を持った作品も多いが、
中期頃からこの変態性と普遍性とロックセンスを
絶妙にミックスした曲が目立つようになる。
実際現在は各メンバーが全員曲作りをしている点からも
各々のメンバーの音楽感性の高さが伺える。
演奏面で言えばメンバー全員とても演奏の技術が高い。
特にキーボードの金澤ダイスケ、ギターの山内総一郎、
この二人はフジがなくてもそこそこやっていけるんじゃないかと思う。
ダイちゃんのキーボードのカッコよさに
鍵盤に目覚めるキッズとかいそうだし、
総くんは志村の上手でギター弾きまくってる姿がすげえカッコ良かった。
のに、今やボーカルも兼ねるようになったので
若干ギタリストの側面が薄れてしまったのが少し残念。
あんなかっこいいギタリストをギタリストから遠ざけてしまうなんて・・・
ホンマ志村は罪な男やでェ

 


まだまだ魅力を書けばきりがないが、
あえて最後に一つ言わせてもらうと、
志村が死ぬ前と後と、
どちらの側面も楽しめるバンドであるということ!
志村が死んでしまったのでもう何を言っても推測や可能性の話にしかならないが、
志村はそのうちフジを辞めた可能性もあったと思う。
志村に曲を書いて欲しいと依頼がいくつもあって
実は死ぬ少し前はフジ以外でも多忙だったらしいことや
志村自身が「このバンドに俺いらねえんじゃないか」って語ったことがあることや
クロニクルで志村が見せた限界や吐露、
そういうところから推察するに
志村が辞めてしまう未来があったかもしれないことは否定出来ない。
もしそうだったとすれば
たとえ志村が生きていたとしても、
恐らく現在まで続くフジは
その時点でなくなっていただろう。
珠玉の名曲たちも
それで完全に過去の遺物になってしまっていたかもしれない。

だけど現在フジファブリックは存在し続けている!
志村の死が残りのメンバーにもたらした衝撃たるや
それは俺達みたいなファンが想像するより遥かに大きかったに違いないが、
バンドマンってのは自分の人生かけてそのバンドやるわけでさ。
大抵の人は志村ありきで考えていたフジというバンドを
俺達で続けますと表明する勇気と重責。
そして現在の3人が届けてくれる
志村の曲に勝るとも劣らない良曲・名曲の数々。
これらが志村の死によってもたらされたものだとしたら
決してありがたい・・・とは言わないが・・・なんとも・・・やるせない・・・。
もし今志村が生きてたら・・・
覚醒した現メンバー3人との化学反応で
どんなスゴイ楽曲を聴かせてくれたのだろう・・・
夢想しだすと止まらなくなるよ!

 


ひとつ、声を大にして言いたい!
こんなにドラマティックなバンドは他にいない!
現存していることが奇跡みたいなバンドだ。
メンバーがバンドを続けてくれたおかげで、
志村が作った曲だってライブで聴くことが出来る。
こんな一粒で二度美味しいみたいなバンド、
俺は他に知らない!

 

 

語りたいことはまだまだあるし、
こんな書きなぐりの文章でフジの魅力が
誰かにどれだけ伝わったかはまったく解らないが、
これからも何かにつけて
フジの記事を書いていこうと思う。
俺のフジ愛はこんな駄文で発散できるほど
弱い熱じゃないのだ。

そしてまた今日もようつべでフジの動画漁りの日々である。